• 胃癌
  •  原因は不明ですが、ピロリ菌、食塩過剰摂取、喫煙等が危険因子として考えられています。癌の中では最も多い病気です。死亡者数もずっと一位だったのですが、ここ数年は肺癌に次いで男性では二位です。
  • 早期胃癌には特徴的な症状はなく、検診で行われる血液検査のペプシノーゲンは癌の発生母地といわれる萎縮性胃炎をチェックする検査です。バリウム、内視鏡による検査を定期的に受けることが必須になります。早期のものは内視鏡的に切除されるようになってきました。
胃
  • 胃炎
  • 急性胃炎と慢性胃炎に分類されますが、治療を包括して考えると急性胃炎は胃潰瘍の程度の軽いものと考えるべきでしょう。
  • 胃炎の原因で最も注意すべきものは、NSAIDSとよばれる消炎鎮痛剤(整形外科で痛み止めとして胃薬と一緒にだされることが多い)、血小板凝集抑制剤のアスピリン(血液サラサラにする薬として長期に服用されることが多い)です。具体的にはインダシン、ボルタレン、ロキソニン、バッファリン等です。これらを内服している方は定期検診を欠かさず行ってください。
  •  もう一つはピロリ菌と呼ばれているヘリコバクターピロリという細菌感染です。これは胃癌の発生母地としても注目されています。胃潰瘍に発展することも多いのですが、胃炎の原因段階で捉え除菌することが肝要と思われます。(保険診療では胃潰瘍がないと除菌(抗生物質の内服)はできませんでしたが、萎縮性胃炎で胃癌がないことを内視鏡で確認できれば除菌可能となりました。)
  •  形態的には表層性胃炎、萎縮性胃炎、化生性胃炎、びらん性胃炎等があります。
ピロリ菌
  • 胃潰瘍
  •  食べ物を消化する胃酸により胃の壁が消化されて損傷を受ける状態のことを言います。胃酸を攻撃因子、胃粘液産性、胃粘膜血流を防御因子としてこのバランスが崩れたとき胃潰瘍が発症するとされています。
  • 胃潰瘍は防御因子の低下、十二指腸潰瘍は攻撃因子の増加が原因とされています。
  • ストレスやアルコールは胃酸の分泌を増加させ、消炎鎮痛剤は防御因子を制御するプロスタグランジンEの合成を阻害することにより潰瘍を作ることになります(プロスタグランジンは熱や痛みを生じるもとを作る働きがあります)。
  •  ピロリ菌陰性の潰瘍が3%しかないことより、現在ではすべての潰瘍をピロリ菌でかたづける方向に進んでいますが、アンモニアを発生するピロリ菌がどのように潰瘍をつくるのかはまだ解明されていません。
胃潰瘍
  • 胃ポリープ
  •  胃のポリープには胃底腺ポリープ、過形成性ポリープ、胃腺腫があります。多くは経過観察も不要な胃底腺ポリープですが、胃カメラで確認しない限りは毎年経過観察のバリウム検査をうけるはめになります。また、胃カメラを受けてもフォローアップが必要といわれる場合もあるようですが、基本的にはフォローアップが必要なポリープは切除すべきです。癌化する可能性のあるものは切除、しないものは放置で良いと考えます。ペプシノーゲン、ピロリ菌の有無によりフォローアップの期間も決まる傾向にあります。